伊東便り 5ーー海辺で月を観るまで。夕方から

ひょんなことから、ある婆さまのお宅を突然訪ねることとなり、所期の目的は達せなかったものの、義理は果たすことができた某日の午後。

手ぶらで戻るのももったいない。次のバスまで一時間。辺りを歩いていると、植木を栽培している畑を見つけ、その周りを巡るだけで、恰好の時間つぶしになるのでした。

伊豆川奈の高台からは、島は見えず、湘南から房総半島がよく見渡せるーー婆さまはそう自慢していたのですが、この日は小雨で、灰色の海がわずかに見下ろされるばかり。

伊東の街に戻れば既に夕闇が迫り、あてもなく歩くうち、海側の人家の屋根に十六夜くらいの月が懸かっている。

「これはもしかして…」と浜辺に急ぐと、月に続く光の道が通っているではありませんか。八戸や松島、また安房鴨川という、海から月が上るところで、いつかは眺めたいと思っていたものです。

そのあと二、三日経った夕方、伊東桜木町の蕎麦屋『成木屋 岡支店』で、付き出しの締め鯖で冷や酒をもらいながらオヤジにそのことを話せば、「ホウ、月はどちらから上りますか」などと呑気なことを曰うのには笑ってしまいました。西の山の方から上るもんかいな…。

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