十三年前、夏ーー風邪の床で昔のブログを読み返す

画像


あまりに喉が痛むので目が覚めた。薬の類の持ち合わせはない。何か紛らしてくれるものはないかと台所を探したが、旅から戻ったばかりで、冷蔵庫の中は空っぽ同然。いつもなら葱をたっぷり刻んで簡単な味噌汁をこしらえるところなのだが、人参と玉葱くらいしかない。

乾物の置き場を漁ると、小さなパック入りの水飴があった。よく見ると八戸の農産物直売所で求めたもので、甘藷澱粉と麦芽から作り上げたものらしい。そういえば他の土産物屋にも置いてあったような気がする。彼の地の名物なのか。

「ノド飴というものがあるのだから、これでも舐めてみるか」と割り箸の先で搦めとる。一休さんになったような心持ちなのが可笑しい。

舌の奥の方に箸先をくわえ、上顎との間で温めると、飴がゆっくり融けて奥に流れこむにつれて、なにがしか喉の痛みが引いていくように感じられた。

……。

いったん深い眠りに落ちたところで目覚めてしまったので、無理して眠りに戻るのも面倒なので、昨日閲覧されたブログの記録を眺めていた。検索されたものの中に、2006年8月の17本目のブログがあった。当時テレビで放送されていた「世界の中心で、愛をさけぶ」の或る回を採録して感想を付したものだった。

それにしても、当時は月に17編以上も作っていたというのには驚く。鬱病で休職しながら職場にしがみついていた時期である。おそらく、心身の調子が悪かったのにそれを見つめる目は健在だったのだろう。それにひきかえ、さして苦労せずに生活はできるが、何もまとめる気がしない、しようとしても出来ない当節の落ちぶれようはどうだ。

その末尾に、拙文を読んでくれた方々とのやりとりがあった。自分も、そして有り難くも読んでくださった方も、ずいぶん真摯に人生に向き合っていたとみえる。

先日の月例飲み会の際、優能な年下の友が、今どきの四十代以下の人間は、手紙なんて書きませんよと言っていた。「お前ら、それじゃあどうやって自分の気持ちを伝えるんだよ!」と憤っても、応えはない。

十数年の時の経過を思わざるを得ない。


画像



「『世界の中心で、愛をさけぶ』再見――悲しいときは悲しく過ごすべし」
https://kogatak.at.webry.info/200608/article_17.html

ちび
2006/09/02 01:11
スヌーピーの生みの親であるシュルツの絵本に『Happiness is・・・』というのがあります。子供向けの絵本(まあ、絵本には子供向けも大人向けもないかもしれませんが)ですが1ページ1ページにしあわせとは・・・の例が出ている。たとえば「しあわせとは・・・お休みの日の朝」みたいな感じ。ほかの「しあわせ」は忘れちゃったけれど、ひとつ、子供心に忘れられなかったのが「Happiness is a sad song(しあわせとは悲しい歌)」というものでした。ちょっと大きくなるまではこの意味がわからなかった。本当に悲しいときに悲しい歌を聞いて泣きつづけたあと、洗い流されたような気持ちになって、この「しあわせ」の意味を知りました。「しあわせとは楽しい歌」ではないんだな、と。

ちびさんへ
2006/09/02 04:25
カタルシスということがありますよね。辞書によれば、悲劇を見ることによって鬱積した感情が開放されて、快感を味わう。また、精神的苦悩を外部に表出することによってコンプレックスを開放する。=浄化。「世界の中心…」は、いつも悩み深いわたしにとって、そのことであったことを知ります。スヌーピー にもその記述があるのですか。意味は深長ですよね。子供には分かってもらえないでしょうが。ありがとうございます、おしえていただいて。ちびさん、サイト(というのかな?)はないのですか。もしなかったら、はじめられたらいかがですか? きのうは日中疲れ果てて、早い時間に寝て、起きて飯を食い、また寝たのですが、四時前に目覚めてしまいました。こんな自由な朝は“楽しい”もの、もうけものです。

まて
2006/09/05 05:30
カタルシスか・・・アタクシも哀しい時は哀しい曲を聴いて寂しい場所に行って、哀しみにどっぷり漬かるのが好きです。泣くのもいいですよね。

まてさんへ
2006/09/05 22:42
ご来場感謝します。読んでもらえないと張り合いがないモンで…。
江戸時代だと思いますが、白隠という禅の和尚さんがいて、病む時は病むようにというようなことを言っておられたといいます。ありのままの自分を受け入れろ、と。でも、あんまり自分ばかり見ていると、なまなかな心では、自分が壊れてしまうんですよね。このへんがむずかしい。

まて
2006/09/06 15:32
植物を育てるのも良いかとは思いますが、猫などを飼われてはいかがでしょうか?
犬だとお散歩が大変ですが。
o(^^ )o--------⊆^U)┬┬~...


まてさんへ
2006/09/06 20:15
かわいい犬君の文字、楽しめます。
 それを捨ててきた本宅では猫を飼っていて、ある時期には二匹いました。動物はコリゴリです。人間の生活に入り込みすぎます。
 人と人の煩わしさから逃れてきた者には、物言わぬ植物がよりいとおしく思えます。この家に越してきた半年前、友人から贈られた(というより、押し付けられた!)オモトなどからはじまって、ベランダにはもう、棚でも買わないと、植木鉢が置ききれません。菊とポトスを差し芽したのが急速にふくれあがっています。本宅では机の上にちぢこまっていたコーヒーの苗は、肥料をやってベランダに出したら、葉の長さがそれまでの五倍を超えて生い茂り、根元の苔ばかり目立っていたポトスも、びっくりするほど葉を伸ばし、ひろげています。
 暑い中を帰宅すると、するのはまず鉢に水をやることです、「ただいま」と言いながら。
 それも今夕の涼しさでは、お休みです。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック