目指せ、シズル感!――ミュシャのポスター〈JOB〉と「空飛ぶ広報室」の鶏の唐揚げ

NHK教育「日曜美術館」でミュシャの特集をしているので見ていたら、彼の描いたポスター(タバコ「JOB」)を評してクリエイティブディレクター・箭内道彦氏が「シズル感がある」と言っていた。寡聞にして初めて聞く言葉で、魅力が滴るというほどの意味という。三船敏郎の「男は黙ってサッポロビール」のCMがそのお手本なのだと。たしかにそのポスターは、ごく地味ながらも渋い草色の地に装飾模様がほどこされ、タバコをくゆらす美女の長い髪がツタのように渦巻いて巻煙草を連想させ、何より、陶然とした女性の表情は、たんなる「広告」の域を越えているように見える。完熟した構図と表現。
参考:<シズル感> http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%BA%A5%EB%B4%B6

画像


「へぇー……。もしかしてオレの撮ろうとする写真もこの辺のところを目指しているのかな」と漠然と思っていた。モノがあることを知らせるだけでは何ら写真を撮る意味がない。「表現する」ということをしてみたい。人を酔わせるものができたらこの上ないこと……。食べ物だけに限らず、花にしても樹にしても、そこに潤いと匂いと深みを感じ、快いと思い、その体験を平面に映し出して他人様に伝えようとしているのが現状なので。

引きつづき、チャンネルを変えて今夜が初回のTBSテレビ「空飛ぶ広報室」を眺めていたら、新垣結衣がディレクターとなって撮影した、下町商店街の鶏の唐揚げを紹介する画像が「シズル感がない」と、上司の生瀬勝久にダメ出しされていた。

なんとも偶然に連発して出てきた言葉、「シズル感」。当分、頭から離れそうもない。しかし同時に、ありきたりのシズル感にとどまっていてはなるまいとも思うのである。水滴がついていて湯気が出ていればいいというものではない。構図が「完璧」であればいいというものでもない。色の取り合わせが洒落ているだけなのも面白くない。自分だけのものを作り出せないものか……。そしてそれは一か所に止まっているのであってはならないだろう。落ち着いたら、そこで腐るだけだ。すぐに陳腐に堕ちる。苔は好きだが、自分に苔が生えてはお終い。





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この記事へのコメント

2013年04月20日 17:17
洋間なら、なおさらのことでしょう。
機会があれば、いちど掛けてみて、
披露してくださいな。
2013年04月20日 15:30
minochan さん
心強いお言葉、ありがとうございます。洋間の壁に和モノの額絵や自作の写真、御朱印!などを雑然と掛けている拙宅、なんとかミュシャが収まってくれるでしょうか。「植物」が底に流れていることにおいては共通するかもしれませんが…。
2013年04月20日 13:55
もういちど、こんにちは。
ミュシャは浮世絵の影響を受け、平面的装飾性を前面に出しましたね。
和風の部屋にも十分調和することでしょう!!
2013年04月18日 16:22
minochan さん
コメントありがとうございます。
上の番組でも話されていたのですが、ミュシャのポスターは“手に入れたく”なりますね。どうやって拙宅の壁にかけるか、組み合わせを思案中です。
それにしてもミュシャ展、……行ってみたいけれど混んでるんだろうなー。
2013年04月17日 13:04
こんにちは。
ミュシャ,すてきです。
女優サラ・ベルナールと契約し、たくさんの芸術的ポスターをてがけましたね。
部屋にミュシャの絵がかかっていると、華やぎます!!

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  • フェラガモ 靴

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