幾度読んでも――震災の下、幼子憐れで

「生きているといいね ママ お元気ですか」――この言葉を目にし、その寝姿を想い起すごとに涙が止まらない。

元日の新聞に昨年皇后さまの詠まれた歌があった。
「生きているといいねママお元気ですか」文(ふみ)に項傾(うなかぶ)し幼な児眠る

あの頃のことを思い出す。新聞にこの幼子の写真―一生懸命に書いた末に眠ってしまった――とともに、その一行が載っていた。2011年3月31日付読売新聞朝刊。あまりのいじらしさに、泣いた。

元日の記事を写せば、「宮古市の昆愛海(まなみ)ちゃんは元気で、津波で壊れた家の修理が終わり、『まなの家直ったから引っ越すんだよ』」と嬉しそうだったという。「算数の勉強も頑張っており『いっぱい数字書いてるよ』と得意げに話した」とも。

幼子が沈んでいなかったことを、すなおによろこぶ。この先、強く生きておくれ。

   ***   ***

宮内庁の発表による両陛下の詠まれた歌は8首。そのうち7首が震災に関わる御歌だった。

月日が経つにつれて、ともすれば忘れがちなあの不幸。蘇えらそうとしても、やはり、どうしても時は過ぎ去り、思いは薄れてゆく。せめて、愛海ちゃんの言葉に託してあの震災を忘れまい。






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