会津の柳津3ーー駅の待合室で

前の日の夕方、若松からこちらに到着したのは日没直前で雪が降り始めていた。

宿までかなりの距離があるので、この時刻と天候では迷うのが怖いのでタクシーを探したが、駅舎を出れば人けがない。戻ってさっき切符を渡したアルバイト駅員風の婦人に尋ねると、「いま呼んでやっから座って待ってらし」と、ご自分の携帯電話を取り出した。

クルマを待つ間、石油ストーブの前で彼女とあれこれ話せば、久しぶりに福島の言葉が使えるので嬉しくなってしまい、この夜に腹が減ったら食べようと思って喜多方のキオスクで買ってきた餡入りの黒糖パンの袋を、渡して別れた。

そして一日経っての帰り。昼過ぎに駅舎に着くと農婦らしい方がいたので、さっき二つ買ってすぐにひとつ食べて残っていたこの町名物の粟饅頭を勧めて話していると、れいのバイト駅員婦人がやってきた。今日も当番らしい。そして何と、昨日のお返しだと言って、カップ酒と干し柿をくださる。泣けてくるではないか。

先の農婦とはむろん知り合いで、こちらには半分ほどしか理解できぬ話を交わしている。

昔ながらの待合室で天井が高く、全体が暖まることはなく、ストーブは火鉢ほどの効き目しかないので、しぜん、みな身を寄せ合うことになる。

バイト駅員は冬の12~3月の期間、三人が交代で務めるという。彼女はテレビでも紹介されたことがあるという明るく気さくな方。旦那と二人、農業。

お二人の写真を撮ろうと持ちかけたが、農婦さんからは笑って固く断られた。

こちらが三両編成の列車に乗ると、雪が吹きつける中を見送りに出てくれ、見えなくなるまで手を振っているのだった。

来年も冬に来よう……。写真は明日、印刷して送っかんね、姐さん。

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