NIHAO 台湾 4 ーー未明つれづれ 隣室の客のことなど

午前3時。外気温は28度。室内は果たして如何ほどかわからないが、いまのところエアコンは11時に寝た時に切ったまま。

夢がつまらなかったのか、筋を考えながら見ることに疲れたのか、半睡半醒状態を断ち切ってベッドから抜け出したのは久しぶり。

浅い眠り。昼寝をしたわけでもないのに。また、この地に赴任して5年経つという旧友と夕方に会ったから興奮したわけでもなく、深酒のせいというにはあまりにも少なかったビールは小瓶1本のみ。

理由はともかく……。起きてしまったからには起きて何かしようーーと思う矢先、隣の部屋に若い女の声がしてバタンと扉が閉まった。

今夜で3泊目。右隣のツインの部屋には毎夜遅くなると女性がやってくる。

といって、残念ながら艶かしいお話ではない。このホテルの近所に勤めるホステス (と今は呼ばないのか?) が泊まりにくるのかとみている。真夜中をかなり過ぎてから観光客が飛び込んできて、次の朝は部屋を空けて出て行ってしまうこともあるまい。それとも台北のビジネスウーマンには豪傑が多いのか。

安ホテルで壁が薄い。話す声はこの国の言葉だから内容は分からずとも、かなりはっきりと聞こえてしまい、感情は伝わってきて、それがさして不快でないのは、半ば放浪の旅人の無責任によるものか、たまたまこの二夜の客たちの性質がおとなしかったものか、それとも単なるスケベ心のせいなのか分からない。

ところが今夜の客は得体がしれない。まず、日本語を話している。そして、ふたりは別に部屋をとっているらしく、出入り、行き来が頻繁ときたもので。かなり酔っているフシもあり、突如として歌い出したりもする。どんな連中なのだか見当がつかない。世は様々である。

一時はあまりにもうるさいので、ちょくせつ怒鳴りこむのはその後が面倒かと思い、フロントから注意してもらおうとしたものの、それをこの国の言葉に訳すのに難儀して、かといって英語はさらに苦手。何よりここ数日、頭の中の「外国語」は中国語なので。

そうするうちに隣人の片割れが出て行って戻らないので、自然に収まりがついた。テレビの音も聞こえない。一人になれば騒ぎようもない。

ーーかくして3時。そして今は5時。すっかり夜が明けた。
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腹がへったので、冷蔵庫に放り込んであった白切鶏のかけらを取りだしてしゃぶりつき、足りないのでさらに、おととい双連市場で選りに選って買い求めた (たぶん) 最上等で最安値のライチの大きな実を細い枝からもぎりとって囓った。
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たまたまつけたテレビは郷土料理の紹介を映していて、わが国でいえば山形の芋煮のような、具沢山の汁物 (鳥肉と大根が主体) を白飯にかけ、味や形状についての細々とした描写が続いていた。その綿密さと言おうか執拗ともいえる語り口には、「美味しい」の一言で片付けてしまう我がグルメ番組も学ぶべきところ少なくないと思ったものである。

テレビといえば……ああ、眠くなってきた……考えられない。

きょうはどこに行こう……。その前にこの眠気、どうしたら……。







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