豆腐とヨモギ――沖縄自炊滞在記 7

1週間の滞在中、おもに自炊して暮すにあたって用意してきたのは、米3合。餅4枚。佃煮2種類。わかめスープの素。乾燥ワカメ。調味料は塩と砂糖と酒、だしの素、そしてサラダ油を少し。これではとても少ないといわれよう。が、このところの食事量の減り方からすれば、適当なところなのである。1合の米を炊けば、1日半もってしまうので。

もちろん、野菜、肉や魚は現地のスーパーで調達する。これが楽しみ。「沖縄でなくては食べられないものを食べよう」――そのことである。

たとえば、豆腐。先日記したように、関東のスーパーでは考えられないほどの大きさのものがスーパーの棚に並んでいる。写真を再掲するが、大手のものは2種類あって、「沖縄島豆腐」は、ほんのり薄い塩味がして、内地の者には抵抗がない。冷奴にして醤油をかける必要もなく、豆腐そのものの味が楽しめる。
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いっぽう「地釜豆腐」は、たぶんその名称が示す製法からくるものだろう、よく分らないが、豆乳が少し焦げたような香りがする。好きな人には堪らない郷愁のようなものを感じさせそうだが、どうも馴染めなかった。

ある日、沖映通りにある、間口・奥行きがそれぞれ2メートルほどの、バラック造りの汁物屋に入った。座れるのはぎりぎりに詰めて3人が精いっぱいというところ。味噌汁定食(豚三枚肉、豆腐、人参、大根、椎茸、昆布、カイワレ大根、青ネギからなる、まさに味噌汁)の丼にたっぷり入っていた豆腐は、「地釜豆腐」のほうであった。薬味の七味唐辛子やフィーファーチ(八重山地方の香料)、またコーレーグース(“沖縄タバスコ”のようなもの)を振りかければよかったと思った時はすでに遅く、味噌汁はほとんどなくなっていた。はじめテビチ汁(豚足の澄まし汁)を注文したのだが、店は翌日が休みで、豚足を煮込んだものをすでに切らせているとのことで、残念なことをした。もっとも、それを平らげるだけの食欲はなかったのかもしれないが。
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さて、当地でなければ手に入らぬものの一つにフーチバがある。ヨモギである。よく、炊込みご飯に混ぜ込むのだという。これが、今回の自炊行の大きな楽しみだった。放っておくとボンヤリしがちな炊込みご飯の味を、ヨモギはどのように引き締めてくれるだろうか……。また、豆腐チャンプルに入れてみたらどうだろうか、と。内地では餅菓子でしか味わえないヨモギを料理の材料として使うことへの期待が募っていたのである。







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