酒田にて 4 歩きすぎ…。
初日に購入した「3館共通入館券」で土門拳記念館と酒田市美術館を訪ね……とは一言で片付けられても、歩きが主体の行動は時間がかかります。前日は1万2000歩、この日も終わってみれば1万6000歩。
朝一番の南洲神社参拝から土門拳記念館に。
この写真家にはどこか「貪欲」な印象が強く、これまであまり好んでみることはありませんでした。視る対象の本質を無理やり抉(えぐ)り取ったような姿勢が感じられてならなくて。
しかし、この時展示されていた室生寺あたりの風景を見る目には共感を覚えました。風景を絵画としてとらえないという点において。自省とともに。
余計なことながらこのひと月ほど後、信州上田の山の中、鹿教湯温泉の蕎麦屋『辰巳屋』で昼飯代わりに湯豆腐を肴に酒を出してもらっていました。ふと見やると壁に新聞の切り抜きが張ってあり、近寄って読んでみると、なんと土門の記事で。脳出血で倒れてこの地で療養していた時、辰巳屋によく通っていたといい、ひと月ぶりにひょっくり再会して驚いたものです。
酒田市美術館では「二つの東海道五拾三次」として、広重の保永堂版と丸清版を対比させて展示していましたが、風景を主体として意匠を凝らした保永堂版の方が、見慣れているせいでしょうか、丸清版は人物の仕草が単調で、配置も平板に見えてなりませんでした。あくまで好みではありますが。
美術館のある丘から下り、幅1キロほどもありそうな橋を渡りきり、普通ならバスを待って中心街に戻るべきところ、その辺りにあるらしい山居倉庫を見物する気になっていたのは、おそらく破れかぶれだったのだと思います。日差しのある中、停留所でバスを待つ気にもならなかのかもしれません。せっかちな性分には呆れます。
それにしても最上川の幅の何と広かったこと。昭和天皇の東宮時代の御歌を県民歌にしたという表示板があっても、朦朧として歩く途中で撮った写真は、今になって確かめると、ピントがどこに合っているのか不明。それに、自転車に乗った女性が写っているではありませんか。たまたま通りかかったのでしょうが、まるで心霊写真のよう!








朝一番の南洲神社参拝から土門拳記念館に。
この写真家にはどこか「貪欲」な印象が強く、これまであまり好んでみることはありませんでした。視る対象の本質を無理やり抉(えぐ)り取ったような姿勢が感じられてならなくて。
しかし、この時展示されていた室生寺あたりの風景を見る目には共感を覚えました。風景を絵画としてとらえないという点において。自省とともに。
余計なことながらこのひと月ほど後、信州上田の山の中、鹿教湯温泉の蕎麦屋『辰巳屋』で昼飯代わりに湯豆腐を肴に酒を出してもらっていました。ふと見やると壁に新聞の切り抜きが張ってあり、近寄って読んでみると、なんと土門の記事で。脳出血で倒れてこの地で療養していた時、辰巳屋によく通っていたといい、ひと月ぶりにひょっくり再会して驚いたものです。
酒田市美術館では「二つの東海道五拾三次」として、広重の保永堂版と丸清版を対比させて展示していましたが、風景を主体として意匠を凝らした保永堂版の方が、見慣れているせいでしょうか、丸清版は人物の仕草が単調で、配置も平板に見えてなりませんでした。あくまで好みではありますが。
美術館のある丘から下り、幅1キロほどもありそうな橋を渡りきり、普通ならバスを待って中心街に戻るべきところ、その辺りにあるらしい山居倉庫を見物する気になっていたのは、おそらく破れかぶれだったのだと思います。日差しのある中、停留所でバスを待つ気にもならなかのかもしれません。せっかちな性分には呆れます。
それにしても最上川の幅の何と広かったこと。昭和天皇の東宮時代の御歌を県民歌にしたという表示板があっても、朦朧として歩く途中で撮った写真は、今になって確かめると、ピントがどこに合っているのか不明。それに、自転車に乗った女性が写っているではありませんか。たまたま通りかかったのでしょうが、まるで心霊写真のよう!








この記事へのコメント