伊東便り 6――ワシはなぜ競輪場に行くのか?

海から昇る十六日か十七日の月を感に堪えながら眺め、珍しく何処にも立ち寄ることなく戻り、我が家の下の鰻屋を何気なく覗くと、近所の居酒屋で知りあった男の背中が見える。

戸を開けると、奴さん、ナイター競輪最終レースの着順を熟考中です。この日は5レースに賭けて、珍しく4レース当てたと喜んでいました。もっとも、300円ずつの掛け金なので、儲けは大したことありません。

互いにお湯割の麦焼酎をやりながら聞けば、「毎日やってるオレが言うのもおかしいけど、競輪なんてやめといたほうがいいよ、ぜったい」と真顔です。去年還暦で、ゴルフ場に勤務している彼。

もちろんこちらは、賭ける気はありません。しかし今は、各選手のこれまでのレースぶりについて、考えうるすべてのデータが見られ、「傾向」がつかめるので、ある程度の「予測」をつけることはできます。例えば、それまでの各節における日毎の戦績を見ると、その選手のクセが見えてくることがあり、そこが興味深い。

もっともそれは彼のスマホで見られる詳細なデータでのこと。こちとらのようなトーシローには、レース場に置いてある出走表で見られる大雑把な戦績だけが手掛りです。

先日戯れに、競輪場で予想らしきことをしていました。よほど暇で、頭の調子も良かったのでしょう。これまでの戦績から上位3人を選んで、1〜3着の着順を予想するという、最も常識の線に沿ったものです。「実力」のある選手を自分なりに客観的に選ぼうとする作業。

初回の第8レースは、そのうち2人が3着までに入りました。ところが次のレースでは、同じような基準で選んだつもりが、予想した3人は何と、ドンケツにまとまってレースが終わることになるのです。笑ってしまうではありませんか。それが穴レースであったかどうかまでは、関心がないので忘れました。

彼に言わせると、大筋ではその考え方で良いとのことでした。が、加うるに「その日の流れや運がある。それをつかむことが必要」との玄妙なご託宣が…。とてもついていけません。まして車券を買うなど、思いも及びません。

とはいえ、また天気の良い日には、駅からの送迎バスに乗って競輪場に遊びに行くことでしょう。素人予想もするだろうし、軽く昼の外食をとるにはちょうど良いのです。豚汁もラーメンもかなり美味いし、焼き鳥と酒だけで済ませることもできますから。

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