町の本屋さんーー上田の街で 3

歩きの大会としてはかなり辛いコースの部類に入る「飯田やまびこマーチ」には、たしか九回ほど参加している。飯田は南信州の中心都市。毎度ふた晩泊まりで、体育館で雑魚寝するか、後には畳がフカフカ沈むような安民宿に度々世話になっていた。

しぜん、飯田の街をくまなく歩くことになったが、いつも感心したのは、中心街にある書店がしっかりとした経営活動を続けていること。およそ今どきの「地方都市の書店」には見えず、主要都市のそれに引けをとらなかった。

長野は教育県といわれるほどだから、書籍雑誌の需要も多いのだろう。そう考えていた。

東信州の中心である上田も同様に、中央通りには書店が健在だった。一キロほどの間、目についただけで三軒。

ただ、そもそも人通りがない。このうち一軒では店終いの挨拶状だろうか、シャッターに小さな紙が貼り付けられていた。

残る二軒の様子を外から窺っても、客はいない。

立ち寄った食堂に部活動帰りの高校生らがいたが、スマホをのぞきながら飯を食う連中が書店で立ち読みする姿を想像するのは難しい。

かく言う老生とて、本屋さんから遠ざかって久しい。待ち合わせの場所に指定するくらいのもので。

年に二度ほど会う友人は、婦人雑誌で有名な出版社の営業を長年担当し、西日本の書店を巡ってきたが、今や他社に吸収された。書店の衰退を身をもって体験してきているだけに、嘆きよりも静かな諦めの境地にある。

この上田の街の本屋さんも同じ流れにあるのだろうと、今回訪ねてまた諦めるほかないのだった。滅びゆくものに対して「頑張れ」と励ますのは、無責任かつ残酷だから。

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