サルスベリへ移ろうかーー夏の梅林 2

雲が厚くて風も吹き抜ける。いい気持ち、と思っていたら急に雲が切れて真夏の陽射しが戻って暑くて堪らない。のんびりと iPad に面していることができず、画面もそのままに抱えて日影を探す。四阿(あずまや)はあるが、緩やかながら斜面をのぼるのは嫌なので、下り続ける。

その途中、梅林と背後の尾根の木立の中にポッと、濃い桃色のひとかたまりが望まれた。隣接するお寺の百日紅(サルスベリ)に違いない。コスモスのあとに回ってみよう。

その前に往年のバンド Renaissance をとり上げた原稿に拙いままながらも目鼻をつけねばならない。ヒマ人はヒマ人なりに忙しいのだ。

……。

お寺の門は開いていない。

百日紅の桃色がカメラの設定を調整するだけでは、なかなかうまく現れない。木陰の闇、純白の雲と青空との釣り合いも難しい。目で見えるようには写らないとは分かりながらも、いくつかの極端をなんとか矯めて収まりをつける難しさよ。人の世と変わらない。

手間取っているうちに蚊が寄ってきて、痒いのに我慢できず、早々に退散することにした。

この辺りにくると、野菜の無人販売所で目ぼしいものを探すのが楽しみで、またいつも助かっている。はじめの所では茄子しか残っておらず、やや小ぶりで張りの良いのが四つで百円、迷わず頂く。しばらく先ではピーマンを。

ここで四時を回っている。もしかすると五時に開く立ち飲み焼きトン屋に行けるか、それとももう暑くて限界に近いので、最寄りの停留所から帰ろうか、思案しながらフラフラとバス通りに戻るのだった。

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