青森八戸つれづれの記

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八戸の六日町にひっそりと佇む『南部屋食堂』が以前から気になっていた。この食堂、営業しているのかな、と。

冷やし中華500円を上品に召し上がっていらした西洋人顔で初老のご婦人は帰り際に入口脇の皿に代金を置いて、“あんまり美味しかったのでもう一杯食べられてしまいそう”ーーと当地の普通のことばで言い置いたはずなのが、台詞と抑揚を忘れた。“ホコテンによる交通規制のために帰りのバスをどこで乗ればいいのか困った” と言いながら入ってきた婆さまとふつうに話していたので、土地の言葉には違いない。それを聞いているこちらのアタマもすっかり東北訛りになっているので、何と言ったか却って思い出せないという不思議さの中にいる。

こちらの頼んだ支那そばの用意に取り掛かっていた女店主も冷やし中華の彼女と同年代のうえ同じようなこの地特有の美形。それは青森駅近くの小料理屋『大もりや』の奥様にも通ずる。「田舎顔」ではないのだ。ふっくらした穏やかな日本美人でもなくて、キリリと引きしまった顔立ちなので。ご先祖の人種が違うのだろうと勝手に想像している。

さて、べつにサッカーなどどうでもよいのだが、前半を同点で終えたころに目が覚めてしまった。ここ種差海岸駅前の静かな民宿『石橋』で遅くまで飲み交わしていた隣室の爺さまは一つ年下で、東京からバイクで出てきたという現役の方。調子に乗ってちとやり過ぎたせいの短時間睡眠であったか。

ーーそう綴るうち、すでに外は明るい三時半…。

昨日種差海岸駅に着く少し前にディーゼル車の車窓から見えたのだが、松林の中に咲くニッコウキスゲのような黄色い花が気になるので、朝食を頂いたらそれを確かめにゆこうと思うものの、その後はどうしたものか。

同じく昨日から投宿している鎌倉市の大船からいらしたご夫婦は、宿の方の案内により海岸に沿って開ける草地の植物を見に行き、隣室の彼も意外や植物好きなので同道するという。ありがたくも誘ってもらったが、もとより物事を覚えることは苦手だし、団体行動も不得意なので、丁重にお断りしておいた。

海岸沿いに隣駅まで歩き、本八戸まで列車に乗って、また『南部屋食堂』でこんどは定食400円をいただこうか…。きのうのフライものは何の魚か、それと赤ヒラメだったか、刺身だったらしい。ぽつぽつ来店するたいていの客は定食を頼むようだ。

チャーハン、オムライスそれに支那そば、ざる中華も同じく400。「おいなり」は1個50。奥さんひとりですべて切り盛りする。

いただいた支那そばは、これまでの八戸煮干しラーメンのうちで最も食べ応えあるものだった。本八戸駅の食堂、それから鮫駅から少し離れた踏切近くの店、いずれもどこか物足りない気がしていた。南部屋食堂は、チャーシウ麺があれば価値はいや増すのではないだろうか。それほど力強いチャーシウとスープだった。

残念ながら酒を置いていないので、持ち込み料を払えば許してもらえるかどうか、美人ご店主の反応を推測している。

四日間、東日本の在来線と新幹線が乗り放題で15千円という老人用の季節限定切符は、じつに有り難い。

きのう朝一番の東北新幹線で出てくる前、二日目は久慈あたりまで行って昼飯をとって種差に戻ろうとしていたのだが、あちこち移動するのが面倒に感じられてもきた。ぼんやりとして、眠い。

ーー部屋の壁に日が差してきた。しまった、遅れた! カメラ、カメラ! 八戸の日の出はハマより23分早く、4時5分。早過ぎっぺナ!


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この記事へのコメント

フクちゃん
2018年07月02日 08:12
朝日きれいでしたね

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