京都でボチボチ泣きごとばかり2ーー立ち飲み屋でへこたれ、寺町通り『鳩居堂』で回復

先月、雪の会津からの帰り、次の京都行きにあたって計画らしきものを立てようとしていた。が、すこし考えたら、それは無意味であることを覚った。そもそも名所旧跡を “観光する” のは主義ではない。人混みも嫌いだ。そして今回の日程は、「ウォーク大会仕様」のために週末なので、なおさらそういった方面に足を向けるのは辛い。

初日の昼、『萬福』のラーメンのあとに立ち飲み屋へ。どうにも解せない移り行きだが、宿のチェックイン時間まで足の向くまま街中を彷徨うほかない。目的なく、食欲なく、歩けずという無い無い尽くしで、詰まるところは何時もの四条河原町『たつみ』に落ち着かざるを得ないのが情けない。

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しかし、あいにくなことに、隣に立つ若者どもの物言い、なり振りが気に障って心鎮まることなく、連中が立ち去ったあとはすでに飲む気も失せており、楽しみにしていた「芋棒」にも行きつけず、燗酒一合に「きずし」「菜っぱの煮付け」のみで勘定を頼んでしまった。1060円。

ツイテいない。

次は例えば新京極通りの『スタンド』か。近頃は観光客ばかりで面白味なく(自分も観光客のくせに!)また落ち着かない。また、錦市場の天神様近くにある漬物屋付設の立ち飲み屋か。しかし店番の兄さんを先ほど覗き見たところ元気ない面持ちで座り込んでいたので、邪魔するのは気が引ける。……行くところがない。

寺町通りを進むともなく歩いていると、木製のベンチがあった。一人座りで幅広い腰掛けが二つ並んでいる。「これはアリガタイ」と腰掛けていると、じつに座り心地が良い。やや低めの作りで、しばらく経つと尻が温かくなってくるではないか。これには驚いた。『たつみ』の近所にある公園は吹きさらしで長く留まることはできないが、アーケードに囲われていて寒くはない。

しばらく iPad をいじくりながら憩い、時間を潰していると、まことに意外なことに、となりの腰掛けに大学生だろうか若い女性が来て座った。さりげなさ自然さに気が和み、ついつい「このベンチは温かくていいねぇ」などと話しかけてしまうのだった。

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気持ちがほぐれたせいか、ふだんはその構えに臆して入店することのなかった『鳩居堂』の扉を押してみるという不思議。

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居心地良い店内でしばらく数多の硯や筆また料紙をながめ、便箋封筒葉書を当たるうちに、まだ手書きの便りを書く人がいるのだろうか、この先の時代、鳩居堂のような店はどうすればよいのだろうなどと、どうにもならぬことが頭をめぐるのだった。

料紙の見本を出してもらったり、香の説明を受けたりと世話になったので何か頂いてゆこうと、薄い和紙の一筆箋と若冲ほかの絵葉書を選んだ。こちらと同年輩の婦人が丁寧に包んでくださった。756円。いい買い物をした。

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ごく小型で魅力ある色合いと形、そして木質の花台が並んでおり、1200円前後だったので買おうかどうか相当に悩んだのだが、いま我が部屋に置いている100円ショップで集めたミニ観葉の連中を載せるにはもったいないと思うことにして、欲を封じた。





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