「あまちゃん」――わだかまり解け、コイズミに還った春子

春子(小泉今日子)の顔つきが変わった。これまで常に、こわばった、かたくなな、能面のような面持ちでいた春子が、はじめて小泉今日子本来の顔に戻ったように見えた。アイドルを夢見て上京し、挫折して故郷に戻った負い目は、顔の表情を凍らせ、平板な面持ちにさせており、コイズミの魅力は封じられていたのだが……。

「わがんね…」――。アキ(能年玲奈)からアイドルになろうとする熱意をぶつけられ、ふだんは東京言葉しか話さない春子が、うめくようにナマリ言葉を吐いて座り込んでしまった。自分がかつて歩んだ道。娘もまったく同じ思いを持っていることを知って。何という巡りあわせ……。

そしてそのことを母の夏(宮本信子)に相談しようとする。母は、むこう向きに寝ている。その背中に尋ねかけて、かつてもそのように問いかけたこと、いつも寝たふりをして応えようとしない母を思い出す。

物事はいつも同じことを繰り返す。

あきらめて居間に戻ろうとするのを夏が呼び止める。母は食卓を前にどっかと座り込み、茶碗に酒を注ぐ。

25年間、ずっと胸のしこりとして残っていたこと、東京に出たいという春子の願いを聞き入れなかったことを春子に詫びる。重く、苦しい詫び。垂れた頭が上がらない。しかし、それを押し出すことで、まさに胸のつかえがおりた。春子もそれを聞いて、長年のわだかまりが消え去ったことを感じた。そして、アキの東京行きを晴れて認める気になっていた。

その時からだ。春子=小泉今日子の顔が変わったのは。いきいきと生きる女性、そう、昨年放送されたドラマ「最後から二番目の恋」で演じていた、はつらつと働き、生活し、恋する女性の顔になっていた。

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  • レイバン

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