喰欲ドラマ「孤独のグルメ」第7話:スパゲッティ・ナポリタンとハンバーグ

「ようやく決まった。長い戦いだった」――昼飯を何にしようかと思いあぐねて数時間、主人公は吉祥寺の「お酒と食事の店 カヤシマ」http://kayashima.org/ に安着し、しかし再度、こんどはメニューの森に迷った末、ついに「スパゲッティ・ナポリタンとハンバーグのセット」にたどりついた。

ここに至るまでの物語――。

いつも列ができている、メンチカツで有名な店に、珍しいことに列がない。「シメタ」と喜ぶも、メンチは10時からだという。まだ間がある。では何を頼むか、コロッケでは月並みだろうか、串カツという手もある……と迷う。「迷ったときは両方」と一決して店に取って返すと、すでに10時を回っていて、メンチカツを求める人の列ができていた。「してやられた」。けっきょく列に並んで、これから訪ねる仕事先に「お茶うけ」として買っていく。

蹌踉と路地をうろついていると、占い師に呼び止められる。「迷いが顔に出ている人は、みなさん共通して周りが見えているようで見えていない。視野が狭くなっている」。

「何を食うか」――それが問題だ。「今の俺は何腹なんだ?」。あるラーメン屋にふらふらと入りかかっては、その細い路地の斜向かいのラーメン屋に移ってゆき、さりとて決めきれず、
けっきょく入らない。インドカレー専門店に入ってはすぐに出てくる。

「ダメだ、ぜんぜん決まらない。どうして今日はこんなに迷うのか」。

さて、いったん注文が決まれば、あとはそのなかに浸りこむまで。太麺ナポリタンのケチャップの赤い色、ハンバーグのソースはタップリ、付け合わせのキャベツに添えられたマヨネーズの味。そして味噌汁。「俺にはこんな昼飯が似つかわしい」。

隣の客につられて白飯を追加注文。ナポリタンはおかずにもなる。

「健康とか減塩とかいうけど、にんげん、食べたいものを食べるのが一番」と、同じものを食べている相客は言う。

勘定、1,150円。次回の割引70円の券をもらい、しみじみと満ち足りる主人公・井之頭。

昼飯の献立に迷い、ようやく求めていたものに行き当たり、ありつくまでを描く30分ドラマ。純粋、とは云えまいか。

しかし、「純粋」は「単純」とは異なる。エピソードはそれぞれに味わいと深みがあって、たとえば今回は、食堂の店員さんは、じっと外を見ている。色々な人が通るのを見るのが面白いという。店に入ってくるかどうかも分かるのだと。

また、ナポリタンに付け加える献立に迷い、「迷ったときは一番上のやつ」でポークジンジャーを注文しようとしたら、おりしも店に入ってきた客二人がその品を注文し、先を越されたので、ハンバーグに決めたといういきさつも織り込まれている。

これまでの回と同様、登場人物はエキストラも含めて無名の人々が多数。しかも、演技の素人ではなさそうなところがぜいたくで、愉しませ、遊ばせてくれる。

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