ダイヤモンドリリーで「また会う日を楽しみに」――フジテレビ「結婚しない」最終回

「結婚しない」は今日が最終回。ここ幾日か、朝4時頃に目を覚ますぶん、夜は7時か8時には寝てしまっているが、ドラマの結末は見届けておきたく、夕方からテレビを見続けていた。泡盛を薄めてちびちびと口に運ぶ。ニュースと天気予報の数々に、ときどき眠りこけながらも眠り込むことはせずに、ようやく10時から「結婚しない」がはじまる。題は「最後の選択と決断!! 私たちが出した答え!!」。なんか、固いなぁ、と思いながら見始めた。

それまでウツラウツラしながらながめていたのが、途中から目が覚めてしまった。「結婚」をしないのは、制度としての結婚をしないのであって、愛し合っていればそれは必要ない、大事なのは自分が本当にやりたいことに向かって進むこと、という書生的結論。

千春(菅野美穂)と純平(玉木宏)は、番組開始当初に予想させたように、曲折の末、たがいの意が通じた。ここにおいては見るもののうっぷんは解消されたので、まだ良いとしよう。

しかし彼らはその先には進まない。一緒に住むこともなければ身体の関係もない。純平は画家を目指して北海道に修行に行くという。そのことについての二人のやり取りは台本にはないままである。これは、大いに不満。

またしかし、結婚するよりそれぞれの道を歩むときめた純平、千春、春子(天海祐希)は、――春子も、求婚された大学教授と結婚するつもりはサラサラなく、ともに澄むことにも拘らないといっているが――それぞれ、相手と結ばれることに未練ありげである。純平は千春とさいごに抱き合った後、立ち去りがたいふうだったし、そのあと千春がいつもの公園の噴水の前に行ってみると、春子がビールを用意して待っていた。「来ると思った」といって。割り切れていないということではないのか、結婚よりも自分の道を進むのだということにおいて。

自分自身の道を信じて進むことが第一で、唯一とも考えるに至った彼女らにとって、既存の制度としての結婚は紙風船のようなもの。――というのは、建前にすぎないと思わせる結末にみえてしまった。

本当に好きだったと分かった相手と、互いに心が通じた喜びに浸りながらも、結婚が結論ではないという、観念的な決断の下に、かんたんに「また会う日を楽しみに」といって、横浜と北海道に別れられるものだろうか……。彼らには、肉はないのか、血はないのか、心はないのか。

命に付く名前を“心”と呼ぶ、名もなき君にも、名もなき僕にも――中島みゆき「命の別名」の一節だ。

このシリーズ、やはり、最初に予想したとおり、“頭”で書いた物語だったようだ。命の本質には程遠い。結婚と非結婚のはざまでどろどろと生きていくのがニンゲンという代物ではないだろうかと思うのだが……。



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