とめはねっ! 鈴里高校書道部――文字の力、日々の仕事
心楽しまぬ日々にあって、或る時、自宅から職場への業務メールを打ち終わって、観るともなくテレビを眺めていると、画面に紙と筆が映っていた。
すーっとゆっくり右下に筆が流れ、墨が置かれていき、止まり、いったん下に押され、ためられ、持ちあがり、やや横に筆の向きが変わり、ゆっくりと力が抜かれながら、右にはらわれる。そこに現われ出る筆の跡、墨の形の凛然としていること、流れる筆の動きの洗練され優美な様に心奪われた。
そこで現れた「轍」(わだち)の文字。一点の迷いもなく、勁く静かな存在感を秘めていた。
場面は進み、サザン・オールスターズの歌「希望の轍」が流れ、書いていたのはその歌詞であることがわかった。文字を見て感じていた思いは、その歌声によって増幅された。歌と文字が一体となった感動として胸に溜まってくる。
NHKテレビ木曜の「とめはねっ! 鈴里高校書道部」第5回。この回は文字の心、書道の心が高橋英樹演じる書道の老師から問われていた。高校生達が思い惑い、仲間割れするなか、そのうち一人の学生の父親が、彼自身高校生のころから永く書き得なかった歌詞を一心に書いた作物により、学生たちが書というものを知り、その道を続けようと思いなおす展開だった。
あらすじには興味がない。筆で書かれる文字の美しさに惹かれた。
心をこめたものが形となって表れること。この喜びは、書道においても日々の仕事でも変わりはないはずだ。
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