トシのせいか、心の病による不眠のせいか、いくら遅く寝入っても、朝四時か五時には目が覚めてしまう。休日はなおさらのこと、「自由な時間を有効に使おう」という貧乏精神から、まだ暗い四時前に起き抜けてしまった。
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ベランダに出て一服。菊の挿し芽がシャンとしている。きょうもいい日になりそうだ。朝の大気の新鮮さと湿り気が心地よい。


机に戻り、石田ゆり子『天然日和』の一節を拾い読みすると、気分がなお軟らかに、そして軽くなる。彼女の、自分とシッカリ向き合った素直な語り口は、一見マジメだが、時としてトンチンカンな面もあることに心和む。心の清涼剤みたいなものだ。

外が明るくなってきて、川の向こう側から「ゲーイ、クイックイッ」と鳴く声が聞こえる。オナガが来ているのだ。その灰青色の優雅な姿が現れるのを待つ。七羽八羽の群れが、目の前の木々の上を飛び過ぎる姿を。しかし、上流の方にでも行ってしまったのか、現れなかった。

手前の公園のヤマボウシの花が目立ってきた。しばらく前に小さい純白のその花を見つけ、いつか、山中湖の森の中で見たことを思いだした。日が経つとともに大きさが増す。白い部分は、花弁と見えるが、ハナミズキのように、たぶんガクみたいなものなのであろう。深い緑の葉の上に咲くその花は、数もさほど多くないこともあって、マンションの上階から見下ろすならともかく、地面に立っていたのでは見えにくいのではないだろうか。
http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/cornaceae/yamabousi/yamabousi.htm

横浜は「港の見える丘公園」では、バラが花盛りという。でも、行かない。カメラ同好の士が多かろうから、なにやら気恥ずかしいし、私のデジカメは望遠がさほど効かないし……。なにより、天気が良すぎる。光が強すぎる。このごろの私の写真は「丸く」なっていて、極端な陰影を好まない。――といって、じつは単なる出不精のせいなのであろう。休日はまだ永い。

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この記事へのコメント

2006年05月21日 23:25
一花さま。はじめまして。ブログよちよち歩きでコメントの返し方に詰まり、ご返事が遅れ失礼しました。

わたしは先週のブログ一日目に挙げたように、山の中で幼時を過ごしました。横浜に出てきた後も、母親の生け花や園芸とともに日々を送り、自分が所帯を持ってからも、人さまよりすこし多めに植物の自然に触れているものです。

また別便で挙げたように、独り住まいとなったこの春、知り合いが分けてくれた菊の鉢、芽が伸びたものを摘んで挿し苗とし、赤子のように水やりの世話をしています。園芸などといえるものではない細々とした自然とのやり取りですが、マンション住まいには相応、ままごとみたいなものですね、お笑いください。

これからよろしくお願いいたします。
2006年05月21日 12:56
初めまして。今までのエッセイー拝見させて戴きました。お上手ですね。
私は花が好きでガーデングしながら、花の事が書けたらな~なんて憧れているのですが、随筆難しいです。
一日一夜、素敵なお名前ですね。 私は一葉さんには程遠いくせに一花一葉なんて大層な名前を付けておりますが、一花一葉は、文字通り一輪の花に一枚の葉を使って生けた花。不要な物をすべて取り除いた究極の省略美で、古流では奥義とされています。とあるのですよ。一輪の花に不要なものばかり貼り付けて駄文綴っておりますが、育てた花に代わって書いて残しておきたいと思ってます。
これからも是非また遊びに伺わせて下さいネ。

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